ミスト式立ち上げから注水までをまとめてみた
ミスト式立ち上げから注水までの記事を書いてきまして、その中でわかったことなどをまとめてみました。
公開:2016年3月
最終更新:2019年7月
ミスト式はタナカカツキさんが提唱された画期的な手法です。
ミスト式時代到来 その1より引用
ミスト式とは空気中の水分で水草を管理する方法です起ち上げから、水槽にヒタヒタと水を入れて管理するのではなくソイルに含ませた水分を水槽内に閉じ込めて、水上葉で水草を育成しますミスト式時代到来 その2より引用
草が生えそろってから注水するので、いきなり緑の絨毯からスタートです
水草は十分に根を下ろしてますから、ソイルから滲み出る養分を吸い上げることができます(植栽したばかりの水草は根が生えてないので養分を吸い上げることが出来ず、そのため、
ソイルから滲み出る養分が使えず、水槽内は無駄に富栄養の状態になり→コケが出る→毎日
養分を捨てる換水という痛ましい対応)
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ミスト式立ち上げとは?
ミスト式とは空気中の水分で水草を育成する手法です。
水槽をラップで密閉して乾燥させないようにし、水を張らず水分をソイルに含ませ、水上葉で水草を育成します。熱源は照明の熱のみでヒーターは不要です。
照明から発する熱で水槽内は高温多湿となり、水槽内は水草の水上葉が育成しやすい環境が出来上がります。憧れの緑の絨毯からスタートができます。
しっかり根付いた状態で緑の絨毯になってから注水するので、いきなり緑の絨毯からスタートできる画期的な手法です。ミスト式立ち上げはメリットいっぱいです。
通常の注水立上げは、連日の水換え、コケ発生、ソイル崩れ等、様々な障害がありその障害を乗り越えて完成させる訳ですが、ミスト式立ち上げは、これら立ち上げ初期の障害(デメリット)が最小限で済みますので、最も手堅い近い手法ともいえます。ミスト式開始
こんな感じにイメージに合わせて山を作って植栽します。
ミスト式が可能な水草は一般的に絨毯化させる下草の種類が対象となります。
ニューラージパールグラス、キューバパールグラス、グロッソスティグマ、ヘアーグラスの4種類は自分自身で成功した実績があります。
過去参考記事
グロッソスティグマをミスト式で育成してみた
https://naf14.blogspot.jp/2017/01/blog-post.html
まず注意点として、
下記↓のような組織培養の水草については、
【水草】ニューラージパールグラス 組織培養カップ
培地の寒天がカビの発生元になるので、寒天をよく洗い流すことが大切です。
ミスト式の水草育成にとってカビは一番の敵で、駆除が難しくとにかく厄介です。
ミズト式でカビが発生してしまうと育成失敗に繋がってしまいますので、カビの発生源を最初から断っておくことが大切なポイントとなります。
カビ発生のリスクを最小限にするためにも、ミスト式では以下のような組織培養ではない水草を使うことを強くオススメします!
(水草)ニューラージパールグラス(水上葉)プリンカップ(無農薬)
自分はこちらのキューバパールグラスを使いました。
ソイルに根付いた株がプリンカップに入っていて、小分けに切って植栽するだけでOK。
寒天もなく水上葉なのでミスト式に最適です。
植栽して霧吹きをするのですが、ミスト式は乾燥が大敵!
霧吹きの量には注意が必要です
こんな感じにヒタヒタなくらいのほうが良いです。
ソイルの傾斜(山)を作っている場合、ソイルが全体的に湿ったつもりでも、実は中層まで浸透していない場合があります。
少なくとも1週間は霧吹きしなくても大丈夫な程度を目安にすると良いです。
その辺りを念頭に置きながら、最初の1週間は様子見するようにしましょう。
2~3日で表面が乾燥してくるようだと水分が少ないです。
ちなみに自分は3週間放置でも問題ない感じでした^^
ミスト式のカビ予防(対策)
定期的に(週2回ほど)ラップの封を外し、空気の入れ換えをした方が良いです。空気を入れ換えることで、カビの発生を予防することができます。
そもそもカビ自体を発生させないのが望ましいのですが、密閉した湿度ムンムンの水槽内はカビ発生のリスクと隣り合わせなのも事実。
自分はミスト期に一度カビを発生させてしまったのですが、空気の入れ換えを行うようにするとカビが消滅した経験があります。
この経験からミスト式で万が一カビを発生させてしまった場合にも、空気の入れ換えは有効だといえます。
空気の入れ換えをするようになって、水草は元気でシャキシャキな状態が維持できるので、マメに換気するとよいでしょう。
ミスト式の照明
照明はこんな感じ。ウチはアクアスカイ602を使用しました。
光量より波形のほうが重要らしいので、水草用の照明を使ったほうがよさそうです。
カミハタ水槽用照明ヴォルテス 30W ホワイト
GEXクリアLED SG600 60cm水槽用照明 メタリックブラック
ちなみに照明時間は1日8時間にしました^^
過去記事
https://naf14.blogspot.jp/2016/02/blog-post_19.html
ミスト式立ち上げから2ヶ月経過
ミスト立ち上げ当初からプリンカップのキューバパールを3カップ追加し、計6カップ植栽した状態となります。
念のため隔週でラップを外し空気の入替えと霧吹き補給をしましたが、他は概ね放置です。
最初の1~2週間は目に見えた成長は見られないのですが、実は土の中でしっかり根を張り始めていますのでご安心あれ。
約3週間経過すると水草にスイッチが入り、2ヶ月もするとこんな感じに一気に新芽が展開し、横に広がってきます。
過去記事
https://naf14.blogspot.jp/2016/02/2.html
https://naf14.blogspot.jp/2016/03/21.html
https://naf14.blogspot.jp/2016/03/22.html
ミスト式立ち上げ3か月 注水へ
自分の場合は3か月経過した頃でした。
真冬の寒い季節に実施したので、気温も低く成長速度は若干遅い気がしましたが、環境(特に気温)によってまちまちだと思います。
目安は難しいのですが、しっかり横に広がりソイルの地肌が見えなくなればOK。
逆にソイルの地肌が見えるのなら、見えなくなるまで我慢されたほうが良いです。
根がしっかり張っていても、ミスト期のソイルの地盤は想像以上に緩く、雪崩やバッコンにつながりますので。。
今考えてみると、あと2週間はミスト期を続けてもよかったかも知れません (;^_^A
あくまでも目安ってことで。。
そして注水完了
キューバパールグラスの気泡MAX!
ミスト期のソイルの地盤は緩いので慎重に注水しましょう。
そこそこ茂っていても、根っこの隙間からソイルがポロポロと雪崩れてきてビックリすることになるので ∑(`□´/)/ ナニィ!
特に傾斜などは慎重に。
過去記事
【ミスト式】ミスト式水槽 開封の儀
注水後のトラブル
ミスト期のソイル地盤が緩くしっかり根が張っていても、雪崩からのバッコンが少し発生しました。
バッコンした株を爪楊枝で固定しました。
怪しい箇所をグサグサ爪楊枝攻撃しました。
注水後1週間は緩い地盤の雪崩などトラブルがありますが、2週目あたりからは地盤が落ち着き、根もしっかりしてきます。
注水後1週間は何かとトラブルが多く大変かも知れませんが、何とか辛抱して魔の1週間を乗り切りましょう! (`・ω・´)b
過去記事
【ミスト式】キューバパール山岳レイアウト エビと傾斜と土砂崩れ
ミスト式注水から3週目以降
地盤はしっかりし雪崩やバッコンもなくなりひと安心の時期です。
この傾斜こそミスト式立ち上げの醍醐味!
注水3週目あたりから水草が水中化し、スイッチが入ってきます。
急斜面でも余裕で新芽が枝垂れながら根付いてくれます。
ここまでくれば、水草水槽の日常管理のフェーズに入ります。
しっかり根付いて繁茂した水草は、ソイルから出る養分を根からしっかり吸収してぐんぐん成長します。
そうなると、水草がしっかりと養分を吸収するので養分はコケまで行き渡らず、水草優位のコケの発生しにくい環境になっているはずです。v(。-_-。)vブイッ♪
しっかり根付いて繁茂した水草は、ソイルから出る養分を根からしっかり吸収してぐんぐん成長します。
そうなると、水草がしっかりと養分を吸収するので養分はコケまで行き渡らず、水草優位のコケの発生しにくい環境になっているはずです。v(。-_-。)vブイッ♪
まとめ
ミスト式立ち上げのメリット
- しっかり根付いた状態からのスタートなので、
通常の注水立上げよりレイアウトが崩れにくく、
傾斜をつけることができる。 - 密閉し湿度を保つだけなので管理が簡単。
- 水上育成なので換水不要、コケない、簡単に水草が増える。
- しっかり根付いているので、水草をエビに抜かれない。
- 立ち上げ初期の富栄養化も水草は既に根付いて
いるので養分をしっかり吸収し、元気に育つ。 - 余計な養分がコケにまで回らないのでコケが発生し難い。
- いきなり緑の絨毯が実現できる。
ミスト式立ち上げの注意点
- 乾燥しないよう霧吹きで水分を調整する。
- カビの発生源を混入させない。
→組織培養の水草は寒天をきれいに洗い流す。
→流木はカビ易いので避けた方が無難。 - 注水はソイルが完全に見えなくなってから。
ミスト式立ち上げ ミスト期の運用
- 照明はタイマーで1日8時間
- 週1回程度、ラップを開いて空気の入れ換え
- 隔週(かなり適当)乾燥してきている部分に霧吹き
- カビが発生していないか確認(気が向いたら)
2016年11月10日追記
ミスト式でカビが発生した際の対処
- 手で除去できるカビは除去する。
- 水草に細かく付着したカビは無理にカットしなくてもOK。
- 週2回程、ラップを外し空気の入れ換えを行う。Point!
使用した素材・機材
照明:ADAアクアスカイ602
水草育成ならコレ!ADAの定番LED照明です。光量よりも波長の方が大切のようなので、水草育成用の照明をチョイスしましょう。
底床1:ADAパワーサンド
長期維持を考えているのでチョイスしました。富栄養化によるコケのリスクもあるので無くてもOKです。
底床2:GEX水草一番サンド
自分の水草水槽のド定番なソイルです。
所謂、吸着系に分類されるソイルで、濁りにくく、トラブルが少なく扱い易い
のが特徴です。
安いですが水草はしっかり育ってくれる優れたソイルといえます。
底床3:JUNプラチナソイル(スーパーパウダー)
キューバパールグラスやニューラージ、グロッソなど、絨毯を狙うならパウダータイプのソイルが有利です。
自分はソイルの中層以下を水草一番サンドを敷き、ソイル表層にプラチナソイル(パウダー)を敷く形でより絨毯が根付くよう工夫しました。
(有茎草エリアは水草一番サンドのみです)
■プラチナソイルのパウダータイプの大きさ(参考)
プラチナソイルスーパーパウダーの大きさは
アマゾニアパウダーと同等の大きさです。
プラチナソイルパウダーの大きさは
アマゾニアのノーマルと同等の大きさです。
JUN (ジュン)
水草:キューバパールグラス
組織培養じゃなく、水上葉でソイルに根付いた株のようになっているので、ミスト式立ち上げには最適な素材です。
あとがき
憧れの緑の絨毯からスタートでき、迫力の傾斜もつけられる。
メリット満載なミスト式水槽の立ち上げは、美しい水草水槽を成功させるための最短ルートだと思います。
水草の根が張り、繁茂した緑の絨毯からスタートすれば、最初からコケより水草優位の
環境が出来上がるので、コケが発生しにくい水槽づくりにつながり、いいことばかり!
是非、挑戦されてみてはいかがでしょうか。
最後までお読み頂いてありがとうございました。
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はじめまして。
返信削除去年の記事にコメントしてしまってすいません。
僕は今現在キューバパールグラスのミスト管理中です。
SuitBasserさんのこのブログも何度も読ませていただき参考にさせていただいています。
まだ注水していないのですがバッコンとか怖くてビビっています。
あと最新記事のエアーマスター、初めて知りました。
狭いキャビネット内で使えそうなら使ってみたいと思いました。
>やまちさん
削除はじめまして。コメント頂きありがとうございます!
ミスト式注水後のバッコンはですね、
注水の際に草の上にビニールを敷かず、
ガラス面にそぉ~っと注水したので・・・
注水方法が悪かったのかなと思っています。
ご存知かもですが、注水はキューバパールの上に
ビニールを敷いてその上から注水するとよいですよ。
2回目のミスト式はそれでバッコンしませんでしたので^^
とにかくソイルが見えなくなってから焦らずに注水すると
トラブルが少ないと思います。ソイルが少しでも見えていると
そこから雪崩が起きちゃうので( ̄▽ ̄;)
まぁ、やまちさんは結構多めにキューバ植えられてるんで大丈夫かと。
エアーマスターアドバンス、おすすめですよ。
ただでさえブクブクって邪魔じゃないですか。
エアマスターアドバンスは出水部に近いところのホースに
かますので、キャビネット内に入れることはないと思います。
とにかくスッキリしますんで是非!